先生のおはなし

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お父さん、がんばる

妻が二人の子どもを連れて出て行ってしまってから1年余りになる。「何でこんなことに」と、妻を責めることばかりが心に浮かぶ。それが最近になってようやく少し余裕を持って考えることができ、子どもたちが幸せであるためには、その母親である妻が幸せでなければならないのだと思えるようになった。
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風船かずら

隣の庭の風船かずらは、実は昔、私の母があげた苗が育ったものだった。母が亡くなって12年が経つ。長い間大切に育ててくれていたんだ…、という嬉しい気持ちとありがたい思いがわき上がり、母の笑顔が浮かんできた。
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あなたの声を聞かせて

私は、自殺予防の電話相談のボランティアをしている。電話を掛けてくる人たちのほとんどは、周囲に悩みを打ち明ける相手がいなくて、独りで悩みを抱えている。電話相談はそんな人のために待機し、話を聞かせてもらうのだ。
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親の祈り、神様の祈り

ハンマーで叩かれたような衝撃が、私の頭を突然襲った。高熱にうなされ、身体の節々が痛み、口にしたものすべてを吐き出した。そして顔は赤黒く腫れ上がったのだ。これは私が出張先のフィリピンから帰国して数日後のことだった…。
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認知症の祖母と暮らして

専門学校では介護を学び、その後介護職員として施設で働いた。数年後、仕事を辞め、認知症が進み出した祖母のお世話を自宅ですることになった。ある日、祖母がいない間に衣替えをすると、「誰が服を持っていった? 光江さんかっ!」と怒りだし、その日から何に対しても私のせいだと決めつけるようになったのだ。
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神心と人心

先日、切符を買おうと駅の窓口へ行った。並んで待っていると、列の先頭でおばあさんが色々細かく質問していた。次に並んでいた人を見ると、イライラした様子。次の瞬間、その人は長時間待たされていた不満がついに爆発したのだった。
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神様の手の中で

どこからか、「何か落ちた!」と言う声が私の耳に入ってきた。私は突然のことに「えっ?」と思ったが、音のした方に目をやるとそれは主人だった。屋根の上にいた主人が割れた屋根と一緒に落ちたのだ…。
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黒い卵

それは突然何の前触れもなくやってきた。腹部に異様な痛みを感じ、息も出来ず、声も出ず、食べた物が逆流する。初めて体験する状態。不安な気持ちに包まれながら、神様にお祈りをして、近所の医者に行ったのだった…。