大根一本でも


●信心ライブ
「大根一本でも」

金光教放送センター


(ナレ)金光教の集会で行われた発表や講話などを録音で紹介する「信心ライブ」。
 今日は、金光教阪急塚口はんきゅうつかぐち教会の前教会長・古瀬真喜太郎ふるせまきたろうさんが、昭和58年4月、教会でのお祭でお話されたものを聞いて頂きましょう。  

(古瀬)今から30年ほど前に、塚口の市場の八百屋さんが、だんだんと落ち目になって、商売がうまくいかない。それで、借金も出来てくるし、お先真っ暗という。そこで、お参りをして来られた。
ただ頼むだけの神参り。世間で、みな「信心しんじん」と言うたら、頼むだけの信心。頼むだけのお参りという。それでお札を買うたり、お守りをもろうたりして、それでもう済んだと思うておる。「そんな信心じゃないんだ」と。
 「あんた、天地に生かされておる。その天地に生かされておるということを、本当に真面目に考えないかん。真剣に考えないかん。あんたが売っておられる大根でも、八百屋さんですからね。大根、ニンジン、キュウリ、もう一切のあんたが扱っておられる商品品物は、天地のお恵みなくしては、有り得ないものばかりをあなたがお商売に使っておられる。それを売って生きておられる。それをあんたは単なる物に過ぎない扱いをしておられる。それは、大根やニンジンに対して、そして、それを作って下さった、天地の大きなご恩に対して、人間らしい温かい心を、全然向けておらん。ただ、もうけたいもうけたいという、そういうものの扱い方、考え方だ。それを改めなければいけない。ただ願うだけじゃない、そういうふうにね、天地を軸にして、そして自分の生き方を考えて、改めるところは改めていくことによってあんたの生き方が、本当に立ち行く生き方になられるんで、だからこれからは、『天地の親神様、いろいろのたくさんの種類の青物をお作り頂いてありがとうございますと。その作って頂いた物を売らせて頂いて、商いをさせて頂きます。どうぞ皆様のお役に立つような御用になるよう、商売になるよう、心掛けて参りますから、どうぞ青物を大切に扱わせて頂きます。神様がお作り下さった大切な天地のいのちが、白い大根となり、赤いニンジンとなり、青いキュウリとなり、そこに、食べられる方々が、色彩が豊かにね、いろいろの彩りで、料理をおいしく作って頂く。そうまでして下さって、お作り下さってる神様の深いみ心を、ありがたく頂いて商売をさせて頂きます』と、そういうふうにならないかん」と、話を致しました。
 それから3回目に参って来られた時、「雨の日であるのに、3千円多く売らせて頂くことが出来ました。ありがとうございました」と言うんですね。「ただ青物を売ったらええわ」というような、そんなぞんざいな商売だった。それが、大根1本でも、キュウリ1本でも、人の命のために、天地が、ニンジンはニンジン、キュウリはキュウリ、ゴボウはゴボウと、本当に、人の命のために、これを食べると人間が、いきいきと健康で働けるという、そういう人間の命のため、人の命のため、神の氏子のため、神のいとし子のために、一つひとつの青物に、お心を込めて下さってある。神様から、人の命のためにお作り下さった大切な命の根元となるものを扱わせて頂いておるその自覚というもの、大切な扱い方をさせて頂くということによって、喜びを頂かれた訳であります。

(ナレ)いかがでしたか?
 お仕事で野菜を扱っておられる八百屋さんへの力強い言葉。食べ物や、食べ物の恵みをもたらす天地への深い感謝の思いが、ほとばしるようです。天地の恵みあればこそ、私たちは、生かされ、生きていくことが出来ている。青物に限らず、商売で扱うありとあらゆる品物も、本を正せば、天地の恩恵なくしては、有り得ないものばかりなんですね。天地あればこそ、ビジネスもさせてもらえるのです。
 天地の恵みがあり、いろいろな人たちの働きがあって、今の自分がある。全てを生かし、育んで下さる神様のお恵みに思いをせながら、今日から暮らしてみませんか?

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