シリーズ「あなたへの手紙」第3回「①服のお下がり/②あいよかけよ」


●あなたへの手紙
第3回「①服のお下がり/②あいよかけよ」

金光教放送センター


 おはようございます。滋賀県は、琵琶湖のほとりにある金光教湖北こほく教会の井上宗一いのうえむねかずです。

 さて、最初のお便りです。愛知県にお住まいの聡子さんとおっしゃる39歳の女性から、次のようなお悩みを頂いています。

 「私には3人の子どもがいます。上から長男、長女、そして次女と授かっています。長男と長女にはそれぞれ新しい服を着せていますが、次女は今までずっとお下がりを着せています。ところが最近になって「私も新しい服が欲しい」と言い出し、私はその一言にハッとしました。

 『黙って着てなさい』と強くおっしゃる人もあるでしょうが、私にはそれもどうかなと思い、何と言えばいいかと、ずっと考えています。つまらない悩みと思われるかもしれませんが、何かアドバイスをお願いします」

 このような内容です。聡子さん、お便りありがとうございます。

 さて、お子さんの一言に対して、放っておけない引っかかりをもたれることは、子育ての上に大切なことだと私も思います。あなたは「つまらない悩み」とおっしゃいますが、決してそうは思いませんよ。小さな心が傷つき、時には悲鳴をあげていることがあります。何気ない一言に、子どもからのSOSが潜んでいることもあるように思います。あまり神経質になるのもどうかと思いますが、お子さんが育つ大切な時期に、そばにいてじっくり向き合うことこそ、子育ての大切な役割ではないでしょうか。一緒に考えてみたいと思います。

 出来ることなら、下の子にも服を買ってあげたいと思っておられることでしょう。でも、まだ使えるお下がりもあるし、当然経済的なこともありますから、下のお子さんにはどうしても辛抱を強いることになりますね。

 さて、この場合、お下がりの服に古いとか新しいという価値観で比べると、どうしても新しいモノが欲しくなるでしょう。でも例えば、世界に一つだけのという、オンリーワンのような視点でお下がりがみれると、古い新しいではない別の値打ちが出てきはしないでしょうか。

 「お姉ちゃんが大好きだったお洋服、もらえて良かったね」と、こんな言葉一つでも子どもには違った何かが伝わるのではないでしょうか。

 ただ、お子さんが辛抱しているその気持ちに変わりはないので、グッと抱きしめてあげて、「お洋服さんも喜んでいるね」なんて、優しく声がかけられると、お子さんの辛抱も安心に変わるような気がしますがいかがでしょう。

 次は、東京都にお住まいの夏美さんとおっしゃる20歳の女性からです。

 「愛をかけろ」と言う言葉が金光教にあると、友達から聞きました。その時は「へぇー」って聞き流してましたが、実は、最近好きな人が出来、その言葉を思い出しました。何だか命がけの恋をするようなこの言葉にビビッときたのですが…。これって恋愛成就のおまじないですか? そうだとしたら、私、この「愛をかけろ」にマジ賭けてみたいと思うんですが…。

 このような若さあふれるご質問です。夏美さんありがとうございます。

 さて、せっかくですが夏美さんにおわびを一つ…。実は「愛をかけろ」ではなく「あい『よ』かけ『よ』」というのが正しいんです。愛情の「愛」ではなく、ひらがなで「あいよかけよ」です。ちょっとガッカリさせたでしょうか。

 でもラジオのスイッチは、このままにして少し私の話を聞いて下さい。

 時代劇に登場する「エイホッ、エイホッ」の駕籠かご担ぎを思い出して下さい。「あいよかけよ」もその駕籠担ぎと関係があって、その時代に岡山県の辺りで使われていた言葉だそうです。駕籠担ぎでは担ぎ手の男二人が、前と後ろで調子を合わせるためにかけ声を出し、その調子が合った時にうまく担げるんですね。そのことを「あいよかけよ」と言ったんだそうです。

 金光教の教祖、金光大神こんこうだいじんも、神様と人間とが「あいよかけよ」にならないと立ち行かない、と教えられたことが、金光教の大切な考え方、キーワードとして伝えられているんですね。

 さらに、神様と人との間柄だけでなく、人と人との関係においても、更には人とモノとにおいても「あいよかけよ」が必要で、すべてのかかわり合いが「あいよかけよ」で成り立つというのが教えの中心にあるのです。

 例えば、あなたが誰かと話をする時のことを考えてみて下さい。会話は一人では成立しません。話す相手があって初めて会話が成り立ちますね。話す人と聞く人、その関係が入れ替わり、話していた人が聞く側に、聞いていた人が話す側に…。そうして互いが入れ替わり立ち替わりしながら会話が成立する。

 このようにお互いがかかわり合うような働きを「あいよかけよ」といっています。つまり相手が「あっての」ことです。一人では決して成り立ちません。

 神あっての私、親あっての私、あの人あっての私…と、すべてが「あいよかけよ」につながっていくことになるんですね。

 夏美さんの聞き間違いからのお尋ねでしたが、好きな彼との恋愛も、彼あっての私、君あっての僕、という関係があってのことですね。ズバリ! 恋愛成就のおまじないは、好きな人を大切にすることと言えるでしょう。

 夏美さん、いかがでしたか? 金光教の大切な教えです。記憶のどこかに留めておいて下さいね。もし何かお悩みでしたら、一度最寄りの教会を訪ねてみて下さい。恋愛のお悩みでももちろん聞かせて頂きますよ。

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