世界の平和を願って


●年頭放送

金光教教主
金光浩道こんこうひろみち

 新年おめでとうございます。昨年は戦後80年という節目の年でした。新しい年を迎えさせていただきましたが、今現在、とても平和とは言えない世の中になってしまっています。
 普通に考えたら、みんなが笑顔で仲良くいられる幸せな世界がいいに決まっています。なのになぜ、人間は争い、自然を破壊し、みんなの笑顔を奪うようなことをしてしまうのでしょうか。
 みんなが笑顔でいられるために、一人でも困っている人がいたら手を差し伸べることができるのが、人間だと思います。人を助けることができるのが、人間なのです。
 私の好きな言葉で、「グローバルに考えてローカルに活動する」という言葉があるのですが、視野は広くグローバルに考え、そしてしっかりと地元地域に根付いた活動をするということが大切ではないかと思うんですね。
 しっかりと自分の手元足元を見つめる、しかしその視野は広く持ち、今できることを考えるということです。世界を見据えておく、ということですね。
 そんな世界規模の大層なことは分かりませんという方もいらっしゃるかもしれませんが、世界の平和のためにできることが、私たちにもあると思うのです。
 私の祖父で、長年、金光教の教主を務めた四代金光様は、「自宅前の道の掃き掃除は、世界に通じる道を掃かせてもらうこと」とおっしゃいました。まさに「グローバルに考えてローカルに活動する」という言葉に通じるものがあります。また祖父は、歌人でありました窪田空穂くぼたうつぼ先生に師事し、その生涯に四万首を超える歌を詠みましたが、次のような歌を詠んでいます。
 「世話になるすべてに礼をいふこころ平和生み出すこころといはん」という歌です。「お礼を土台に」と言い続けられた祖父ですが、その先には世界の平和という大きなものを見据えておられたのですね。このような祖父の感性も、現し伝えていきたいと思わせていただいております。
 自分が家庭を持った今、「世界の平和も、家庭の平和から」と神様に言われている気がします。子どもたちには、平和の大切さ、命の大切さを、しっかりと伝えていきたいと思っています。命というものを見つめた時、この命を生かそうとする働き、天地のお恵みというものを、切に感じさせてもらうわけですね。そして天地の命から、長く続く命のリレーを頂いて、今の自分があるのです。天地が生きていなければ、水も空気もなく、人間は生きていけない。もう何十億年、天地は働き続けてくださっているのでしょうか。
 例えば川の流れや滝などを見て、人間が天地大自然の働きに癒やされるのは、ゆっくりと、とてつもない時間をかけて、何かをしようとしているから、かもしれません。すぐに目に見える結果を求めるのは危険なことですが、神様のみぞ知る、この先の時間の流れの中で、人間の見つめる先が、そろって「平和な世界」でありますよう祈ってやみません。

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