子どもとともに親も育つ


●信心ライブ
「子どもとともに親も育つ」

金光教放送センター


(ナレ)おはようございます。今日は、東京都・金光教大崎おおさき教会の田中さくらさんが、2025年2月、東京で行われた金光教の集会でお話しされたものをお聞きいただきます。

(田中)2年ほど前に、娘が死んでしまうかもしれないと思ってパニックになってしまったことがありました。当時まだ1歳だった娘が高熱を出して、熱性けいれんになりました。
 熱性けいれんというのは、突然の高熱に対して、子どものまだ未発達の脳が対応しきれずに、けいれんを起こしたり意識障害を起こしてしまうという症状で、5歳以下の子どもに多いそうです。
 それだけで命に関わるということはないんですが、見た目が非常に怖いんですね。私もそういうものがあるというのは知っていたんですが、いざわが子が目の前でなるとパニックになりました。動画を撮影して、時間を計って、救急車を呼ぶというのがセオリーなんですけど、スマホも見つからないし、救急車の呼び方も分からなくなっちゃうし、一緒にいた息子も「愛ちゃんが死んじゃう」って泣いちゃうくらい。白目をむいて泡を吹いて、ほんとに命が目の前で体からフーって出ていっちゃうんじゃないかっていう状況でした。「いかないでいかないで」って心の中で叫びながらどうにか救急車を呼んだっていう、そういう怖い体験でした。その後、無事にけいれんは治まって、医師からも問題ないということで、その日のうちに帰ってくることができました。
 その経験以来、生きてるってことが当たり前じゃないなと改めて思いました。どんなに無事であるっていうことが奇跡的なことか、ありがたいことか、分かっているつもりで分かっていなかったな、娘のおふざけとか、ワガママですらも、全部当たり前じゃない。愛おしいものだったんだということに気づかされました。
 今日も生きててくれてありがとう。無事でいてくれてありがとうという気持ちにならせてもらっています。神様にも、子どもたちにも、毎日ありがとうを言っても足りないくらいだと感じています。
 あなたあっての私。子育ては大変なこともたくさんありますが、子どもがいるから親になれた。子どもが無事だから安心できる。そう思わせてもらっています。
 教祖様はこういうふうにおっしゃっています。
 「子どもを叱り叱り育てるな。叱り叱り育てると、大きくなって道楽者になる。また、恐れさせ恐れさせ育てると臆病になる。子の頭をたたくより、自分の頭をたたけば、すぐおかげになる」
 このように、脅したり暴力をふるったりして、恐れさせて育てるのはよくないということをおっしゃっています。
 その根底には「人間を軽う見な」「みな、神の氏子である」という思いが一貫しているんだと思います。
 では、どうやったら子どもを傷つけず、支配せずにいろいろなことを伝えることができるか、いろいろ模索したり学ぶ中でヒントに出合いました。
 それは「アイ(I)メッセージ」というものです。英語の「I」、つまり「私」を主語にした表現のことです。「私は~だと思う」「私は~してほしい」というように、「私は」を主語にするんですね。
 逆に、ユー(YOU)メッセージ、「あなたは」を主語にした場合では、相手に対して命令する印象、相手を評価したり、非難したりする印象が強くなるんだそうです。ユーメッセージは、「よくがんばったね」「上手だね」「すごいね」「いい子だね」。アイメッセージだと、「見ていてとても励まされたよ」「すごく感動したよ」「手伝ってくれて助かったよ」。
 例えば、子どもが食事の後にお皿を下げてくれたら、つい「いい子ね」って言ってあげたくなるんですけど。「いい子ね」だと、「あなたはいい子ね」なので、ユーメッセージになります。これを「私は~」に変えて考えてみたら、食器を下げてもらえて私は、うれしいし、助かるんですよね。そうすると、「お皿を下げてくれてうれしいよ」とか「食器を下げてくれてありがとう」っていうふうになります。
 これを実践してみると、子どもの反応がまるで違うんです。「いい子ね」って言っても案外子どもってポカンとしてるんですよね。たぶん、「いい子」の定義があいまいだからだと思うんです。でも、「私はうれしい」とか「ありがとう」と伝えると、とってもうれしそうな表情をします。これは親子関係だけでなく、夫婦ですとか仕事仲間、日常のコミュニケーションでもとても役立ちそうだなと思っています。
 もちろん、絶対アイメッセージじゃないといけないとかではありません。「いい子だね~」って言ってあげたい時もありますし、「かわいい」なんて一日百回くらい言っています。
 で、不思議なことに、「私が」を主語にして考えると、子どもにかける言葉は「ありがとう」が圧倒的に増えました。お手伝いしてくれてありがとう。兄妹に優しくしてくれてありがとう。今日も元気でいてくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとうとかですね。ありがとうであふれてきます。

(ナレ)子育ては簡単なことではありませんが、親が上から目線ではなく、子どもと目線を合わせていくことで、子どもも安心し、親も子どもから教えてもらうことがたくさんあるのだと思います。さくらさんは、子どもの病気や子育ての苦労の中で、子どもを育てる「育児」とともに、自らを育てる「育自」も体感されておられるのだと思いました。

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