●あなたへの手紙
第1回「①平和な世の中を望むけど/②『自分なんか』から抜け出したい」

金光教放送センター
おはようございます。京都府金光教壬生教会の山下浩子と申します。よろしくお願い致します。
最初は、80代の女性の方のお悩みです。
「今年、戦後80年を迎え、戦争体験者も少なくなってきました。戦争の悲惨さを知り、戦争反対を語り伝える人が減ってきています。そうした中、子や孫へといった、次の世代の人たちへ、平和な世の中を受け渡していくのは、今を生きる私たちの大切な役目だと思います。そう思いつつも、私一人が平和を祈っても、世界は争いの方へと向かっていくのではないかと思います。平和問題にどう取り組めばいいのでしょうか?」
このような内容です。
私は今40代で、戦争を経験していませんが、戦争中に疎開していたご信者さんや、両親も戦後の食べ物がなかった時代を生きていて、そういう戦争体験者の方々のお話は、しっかりと聞かせていただかなければいけないと思っています。戦争の経験を語るのはつらいかもしれませんが、「絶対に戦争はしてはいけないんだ」という強い思いを込めて、ご自身のご経験を、お孫さんたちに伝えていただきたいです。私も子どもの頃から両親の話を聞いていましたが、その頃はあまり親身に聞けていなかったと思います。でも繰り返し聞くうちに、自分自身も年を重ね、親となり、立場が変わる中で、戦中戦後のことを、だんだんと自分に引き寄せて考えられるようになりました。そして、自分の子どもたちにも、戦争は絶対にダメだと伝えなければならないと思っています。
その上で、一人が平和を祈っても世界がすぐに平和になるわけではなく、どうすればいいのかということですが、確かに、誰か一人の力でこの大きな世界が変わるわけではなく、毎日のように世界で起こっている争いのニュースが入ってきます。祈っても無力さを感じることもあるかもしれません。ですが、金光教の前の教主、金光鑑太郎様が
「世話になるすべてに礼をいう心平和生み出す心といわん」
というお歌を詠まれています。
お世話になっている身の回りの物に感謝の心を持って、大切に扱うことができれば、人のことも大切にできるようになると思いますし、まずは家族を大切にできるようになり、ご近所の方とも良い関係が築ける、というように自分の身近な所が平和になっていくと思います。そしてその輪が少しずつでも拡がるように祈ることができれば、平和問題への取り組みにつながるのではないでしょうか。世界と自分を切り離して考えずに、自分も世界の一部であると思えたら、取り組みの内容に、大きいとか小さいとかはないのかな、と思います。
次は、50代の女性の方からです。
「私は、すぐに『自分なんか』というように自分を過小評価してしまいます。人と自分を比べてしまって、とてもしんどいです。原因はいろいろあると思うのですが、今は何とか自分を大切にしていきたいと思うようになりました。しかし、なかなか『自分なんか』と思う癖は抜けません。これからの人生を楽しく生きるために、自分を好きになるためにはどうしたら良いでしょうか?」
このようなお悩みです。
あなたのお悩み、よく分かります。私も、自分に自信がなくて、いろんな場面で「やっぱり私ってあかんなぁ」と思ってしまいます。自己肯定感が高くて、楽しそうに生きている人を見ると、ついうらやましくなります。人の良い所に気づいた時に、卑下するのではなく、「ああなりたい」と自分の成長につなげられたらいいのですが…。
でも、あなたは、人と比べて、自分を過小評価してしまうことがあっても、「自分を大切にしていきたい」と思えるようになられたんですよね。素晴らしいことだと思います。「大切にしたい」と思えることは、自分を好きになる一歩だと思うからです。
ある時、小学生の娘と話していて、「自分のこと好き?」と聞いてみました。すると娘は「うん!」と答えました。娘は、非の打ち所のない、完璧な子というわけではありません。でも、自分の良い所も、ダメな所も、ありのままを受け入れている。私の大切な子どもが、自分のことを好きだと思えている。これは、親としてありがたいことでした。その時、ふと「私のこの思いは、神様も同じかもしれない」と思いました。
なぜかというと、金光教の教祖様が、「世界中、天が下の者は、みな天地の神様の子である」とみ教えくださっているからです。「天が下の者」というのは、天地の間にいる私たちのことです。つまり、私も、そしてあなたも神様の大切な子どもなのです。「自分なんか」と思っていても、そんな自分を丸ごと受け入れて、かわいいと思ってくださる存在があると思えたら、少し心がホッとしませんか? その存在こそが、神様だと私は受け止めています。神様が、ありのままの私たちのことを、大切に大切に思ってくださっているのですから、こちらも、自分を認めて受け入れないと神様が悲しまれると思います。
とは言え、自分の心であっても、なかなか思い通りにはなりません。そこで、神様にお願いするのです。「自分を大切にしたい」と1回でも多く、1秒でも長く思えるように、そして自分を好きになれるように、一緒に神様にお願いさせていただきましょう。
