シリーズ「あなたへの手紙」第1回「イライラ/ガンの不安」


●シリーズ「あなたへの手紙」
第1回「イライラ/ガンの不安」

金光教放送センター


 おはようございます。岡山県邑久おく教会の小林眞こばやしまことです。まず最初のご質問です。

 「私は40歳の会社員です。思ったようにならないとすぐにイライラしてしまう自分が大嫌いで、そんな自分を何とか直したいと思うのですが、何かいい方法はありませんか?」
 
 愛知県の隆雄たかおさんからこんな相談を頂きました。

 ありがとうございます。そうですか。あなたも、ですか。私も若いころはすぐに腹を立てたりイライラすることがよくありました。そんな私も今では66歳、若いころに比べると少しは感情のコントロールが出来るようになりましたよ。
 で、その私のコントロールの方法なんですが、どんなことでも、前向きに考えるために、まず「おかげさまで」と最初に「おかげさま」という言葉を付けてみることにしたんです。
 例えば、車の運転中、道路工事なんかに出くわして渋滞に巻き込まれたとします。そんな時、以前の私だったら、「また工事か」と、こんなことにでもすぐに腹が立っていました。
 ところが、今は渋滞に遭ったらまず、「おかげさまで」を付けてみるんです、無理矢理にでも。そうすると、もう、たとえ渋滞でも、いいところを探すしかないんですね。
 「おかげさまで、う~ん、こんなに混んでたら…、スピードを出し過ぎることもないし。安全運転をしなさいということかな」。一旦こう思えたら、もうしめたもんです。ちょっとでも心が落ち着くと、今度は色んなものが見えてくるんですね。
 渋滞の原因の工事ですが、一体誰のためにやっているのかと言うと、実は私たちドライバーのためでもあるんですね。それで今度は工事をしている人たちを見ると、夏場なんかもう、みんな真っ黒に日焼けしていて、たとえ仕事とは言え、すごく頑張ってくれている。それで、こちらはと言うと、冷房の効いた車内でそれを見ているだけ。そう考えると、もう、腹が立つどころか、逆に何か悪いような気持ちにさえなってくる。
 どんなことでも、「おかげさまで」を付けると、もうありがたいことを見付けるしかないんです。例え病気で入院しても、手術がしんどかった、お金が随分掛かった、ではなく、「おかげさまで手術が出来た、おかげさまで入院費が払えた」になるんですね。起こったことは同じでも、そう考える方が気分が良くなると思いませんか?
 どうでしょうか。隆雄さんも、ちょっとでもイラッとしたら、「おかげさまで」を付けて物事を見てみませんか。すぐには出来ないかもしれませんが、やってるうちに、だんだん出来るようになりますよ。
 金光教の教祖様は、何事にも前向きな生き方をされてきたのですが、近くの教会へ行って先生から、そんな話を色々聞かせてもらうと、とても参考になると思いますよ。

 次は東京のアパートで独り暮らしをしている「はるみさん」という、30歳の女性からです。
 
 「今年の春、乳がんの治療を続けていた母が亡くなりました。父も私が小学生の時、大腸がんで亡くなっていて、それを考えると私もガンになるのではないかと不安で仕方がありません。検診を受けるのも怖い気がするし、どうしたらいいのでしょうか」
 
 このような内容です。
 そうですか、ご両親ともがんで亡くなられたんですか。あなたが不安になる気持ちはよく分かりますよ。
 私も若いころ、2~3回胃のレントゲン検査を受けて、それからずっと検査をしていなかったんです。バリウムを飲むのもしんどいし、おまけに結果も怖いし。ところが5年前、のどの違和感で、病院へ行って検査を受けたら、何と胃にがんが見付かったんです。
 それで、胃を全部取ってからこの5年間、検査ばかりしてきたんですが、もしそれでがんが見付かっても今度は初期ですから、発見出来てラッキー、見付からなかったらもっとラッキー、ずっとそんな気持ちで検査を受けてきました。なので、検査の結果に、全然不安はなかったですよ。
 はるみさん、たとえあなたのご両親ががんになったと言っても、あなたががんになると決まっている訳ではありません。この先病気になるかならないかなんて、そんなことは誰にも分かりません。そんな、決まってもないことを気にばかりしていたら、不安になるだけです。取り越し苦労は体に毒、先は楽しみにするもので、先に先に、悪いことはあまり考えない方がいいです。
 私は毎日、朝目が覚めたら、「お、生きてる。ありがたい。食事が食べられる、ありがたい」と、普通の人なら当たり前のことかもしれないことを喜んで暮らしています。
 朝、目が覚めたこともおいしく食事が食べられたことも、それは全部事実です。そんな毎日のありがたい事実を大切にしていると、ありがたいなと思えることが、病気をする前よりもたくさん見えてきましたよ。はるみさんもぜひ、出来ることが当たり前だと思わず、喜ぶ稽古をしてみて下さい。すぐに、という訳にはいかないかもしれませんが、楽しい気持ちが広がってきますから。
 それでも心配がなくならないのであれば、私のように、「見付かればラッキー」くらいな気持ちになって検査を受けてみてはいかがですか。

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