シリーズ「あなたへの手紙」第4回「①コンプレックス/②子育て」


●あなたへの手紙
第4回「①コンプレックス/②子育て」

金光教放送センター


 おはようございます。京都市、金光教船岡山ふなおかやま教会の大引明子おおびきあきこです。山口県にお住まいの17歳、女子高生からのお便りを紹介します。

 私、この間好きな人に振られてしまいました。というより、片思いでずっと思っていただけなので振られたっていうのはおかしいのですが、私のよく知っている人と付き合い出したので、ちょっとショックです。彼女は可愛い。けれど、私は可愛くない。神様って不公平だなあと鏡を見る度に思います。彼女と同じぐらい可愛かったら、彼氏も出来て私ももっと楽しい毎日を送れるんじゃないかなあと思うのです。
 こういう内容のお手紙です。

 お便りありがとうございます。私は今57歳、あなたと随分年が離れて申し訳ないんですが、自分の話をしたいと思います。実は私、運動がとても苦手なんです。若い時はそれが非常に苦痛でした。運動が出来る人は輝いている。しかし、自分は駄目だ。無様な姿をさらすぐらいなら、やらない方がずっとマシと、何しろ逃げていました。今思うと運動をするしないというより、見栄えや、外見を気にしていたのですね。
 ところが忘れもしません24歳の時、大勢の人が集まるテニスの親善試合に出なければならなくなったのです。当時、片思いの人がいたんです。その人もやってくる、そう思うとますますつらくて…。
 さて当日、やはり、悲惨でした。もうこのまま消えてしまいたい。ボールは打てない、尻餅はつく、目を覆う有り様です。ところがです。あまりにひどい私の姿に初めはあっけにとられていた人たちが途中から応援を始めたのです。ラケットがボールにかすっただけでも大歓声。走ってボールを捕ろうものなら大拍手。試合の後、みんなと一緒に笑い合ったのを覚えています。おまけにあまりに下手だったことで、片思いの彼と話すきっかけまで出来たのです。今まで自分を一生懸命取り繕っていたのに、そんな時、相手は通り過ぎただけでした。でも私が苦手なことで無様に自分をさらけ出した時、相手が振り向いてくれたのです。意外でした。自分は自分でいいのだなあと思いましたし、弱点がマイナスになるとは限らないのだなあとも思いました。小さな自信が出来ました。そして、もっと早くこのことに気付いていたら良かったなあ、そう思ったのです。
 あなたもありのままの自分でいいんだな、この顔もなかなかいいなあ、私も神様からたくさんのいいものを頂いているんだなあと思う日がきっと来るはずです。どうかたくさんの経験をして下さい。そして、様々な人と出会って下さい。今、弱点と思っているところが、私の魅力になるかも知れないなあ、楽しみだなあ、そんな思いで自分の中にあるものを大切に日々を過ごしていって下さることを私も及ばずながら願わせて頂きます。

 さて、次のお手紙は35歳、滋賀県の主婦の方からです。
 私は5年前に結婚し、去年男の子が生まれました。主人は再婚なので、前の奥さんとの間に10歳の男の子が一人います。戸籍上は、長男と次男ということになりますし、4人で一緒に楽しく暮らしているのですが、どうしても気持ちの上で2人を同じようには思えないのです。2人とも兄弟なんだから分け隔てなくと思うのですが、なんだかそう思えば思うほど自分がおなかを痛めたのではない上の子に対して気持ちがぎこちなくなっていくのです。理屈では割り切っていても心が割り切れないというか、どうぞ私のつらい気持ちをなんとかして下さい。
 こういう内容のお手紙です。

 あなたはきっと優しくていいお母さんなんですね。だからこそ子どもたちを大切に分け隔てなく育てようと思うあまり、自分の心が不安になってくるのではないですか。
 私の友達は小学校の教師をしているのですが、子どもの成績が思わしくなくて人に勉強を見てもらっているというので、「あなたが教えればいいのに」と言うと、「自分が教えると、『どうしてこんな簡単な問題が解けないのよ。我が子なのに情けない』とか思って冷静に教えることが出来ないのよ」と言うのです。教師であっても我が子は特別なんですね。でもね、我が子だからと思い過ぎるとかえって子どもとうまくいかないことも多いのです。あなたは我が子なんだからと2人を無理に自分に近付けようとしていますが、反対にちょっと離れて“神様の子ども”と言う視点で子どもを見てみればどうでしょう。
 私たちは皆、神様から命を頂いて人として生まれてきます。人は皆、神様の子どもなんです。あなたも縁あって、親子として暮らしていますが、それは神様の代わりに大切な子どもを預かり育てているのです。
 というと何だか理屈っぽいですが、ちょっと子どもさんを見る目が変わってきませんか。あなたとの子、前の奥さんとの子、でも2人とも同じように神様の子、親とはいえ神様の代わりに育てさせてもらうんです。
 大事な神様の子を、世の中のお役に立つように大切に育てさせて頂きますようにと日々お願いしつつ2人の子どもさんを育ててみてはいかがでしょう。今の気持ちを大切に持ち続けると、そのうちに子どもが育つように、親もまた育ってゆくことが出来るのです。あなたならきっと素敵な親子関係が築けるのではないでしょうか。
 お近くに金光教の教会がありましたら、教会の先生に日々の暮らしのことお話されてはいかがですか。あなたの不安や心配を一緒に考え、取り組んでくれますよ。

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