ありがとうの手紙


●特別公募番組
「ありがとうの手紙」

金光教放送センター
(朗読:百鳥 秀世)


 「ありがとう」。わずか5文字ですが、心が温もり、うれしくなる魔法の言葉です。でも、照れくさくて、素直に言えない、そんな言葉でもあります。
 今日は、リスナーの皆さんに、日頃は言えない「ありがとう」の気持ちを手紙にして送って頂きました。
 まずは遠くハワイにお住まいの安武やすたけエイミーさんという30歳の女性からです。以前、日本に留学していた時のことをつづったお便りです。

『「日本とハワイにいる家族と友達へ」

 大学3年生の時、日本に留学することになって、日本にいる親せきの叔父さん、叔母さんたちに大変お世話になりました。また、ハワイから離れて寂しがっていた私に、日本の良さを教えてくれた友達に感謝しています。
 留学前は、両親の故郷である日本のことをあまり知らなくて、自分とは遠く離れた国ぐらいにしか思っていなかったのですが、留学した1年の間に、日本が大好きになりました。
 大学を卒業してから、すぐ岡山の高校で英会話を教えることになりました。何も分からなかった私に、親切に指導して下さった先生方と可愛い生徒たちに大変感謝しています。おかげで、岡山で過ごした3年間が一生忘れられない思い出となりました。
 ずっと背中を押してくれている家族と、引っ張ってくれている友達がいなければ、私はこれまでの人生を歩み切ることが出来なかったでしょう。恥ずかしくて、口ではなかなか言えないけれど、心から「ありがとうございます」と伝えたい。そして「これからもよろしくお願いします」。
 最後に、こういう家族と友達を授けて下さった神様に感謝しています。 』

 続いて、神奈川県鎌倉市の67歳・吉岡裕子よしおかひろこさんからのお便りです。

『「神様に見守られて」

 毎日元気で夫と2人、心豊かに楽しく過ごさせて頂いていることを神様に何とお礼を申し上げてよいのやら…。
 何年か前のこと、夫がひどい腹痛で、救急車で病院に運ばれた時には、すでに盲腸が裂けて腹膜炎を起こしていましたが、すぐに手術をし、一命を取り留めることが出来ました。また、私は急性緑内障になり失明してもおかしくないところを、医師の懸命な対応のおかげで大事に至ることなく今日にいたっています。
 他にも、朝目覚めること、お手洗いを順調にさせて頂けること、おいしく食事が頂けること、安心して夜休ませて頂けることなど、一つ一つのことをいくら感謝してもし尽くせません。毎日夫とありがたいありがたいと喜びの日々を過ごさせて頂いております。その度に、神様がいつも側についていて下さっていることを感じています。 』

 続いては、島根県松江市の25歳・高橋啓介たかはしけいすけさんからのお便りです。
 高橋さんは、中学時代にいじめに遭い、高校ではいじめる側になり、中退。その後、仕事を何度も変えるなど、紆余曲折がありましたが、今では結婚して家庭を持ち、一生懸命仕事に励んでいるそうです。ご両親への思いのこもったメッセージです。

『「おおとうとおおかあへ」

 産んでくれてありがとう。
 泣いてくれてありがとう。
 心配してくれてありがとう。
 一緒に謝ってくれてありがとう。
 今まで育ててくれてありがとう。
 いつもいつもお父とお母には、迷惑ばかりかけてるけど、これからもよろしく。
 いつまでも長生きして下さい。 』

 最後は、愛知県稲沢市の78歳・田内美伎子たうちみきこさんから亡くなったご主人へのお便りです。

『「今は亡きあなたへ」

 昭和30年10月13日、私たちが夫婦としての第一歩を踏み出した日です。
 あなたと交際して1年5カ月。プロポーズの言葉は「君と結婚したら、いつも明るく楽しい家庭生活が築けるだろうね」。私の返事は「経済的な苦労はどんなことも平気だけれど、女性問題は絶対にダメ」でした。
 果たしてお父さんの理想とする家庭生活、営まれてきたかしら。それから37年、3人の子どもに恵まれました。子どもたちも一人前になり、それぞれ家庭を持ちホッとした平成2年5月、あなたの胃にガンが見つかりました。気の弱いあなたにそのことを伝えることが出来ず、最後まで嘘をつき通すことにしました。
 あなたは何度も何度も自分の病気に不安を持ち、私に聞きましたね。でも私は最後まで隠し通しました。いよいよ最後のその時、ガーゼで口元に水を当てた時、あなたはかすかな声で「ありがとう、ありがとうな」の一言を言ってくれました。
 あなたが亡くなって16年。今、私はあなたのお墓の前で、生前、素直に言えなかった「ありがとう」をお伝えします。
 お父さん、本当にありがとう。』

 4人の方々、素敵なお便りをありがとうございました。

 私たちはいつも多くの人に支えられていますが、つい見落としがちです。
 「神様のおかげは喜びの心からわき出てくる」と、金光教祖は教えています。
 ありがとうは、言う人にも言われた人にも、ほほ笑みが生まれる不思議な言葉。
 ありがとうがあふれる世の中でありますように。

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