親子で楽しい科学実験


●信者さんのおはなし
「親子で楽しい科学実験」

金光教放送センター


(爆発の実験の様子)

(ナレ)ここは、兵庫県のとある小学校。NPO法人「父親サポート関西」の皆さんが、親子で学べる科学実験と題して、鉄やアルミの燃焼実験をしている様子です。奈良県に住む花本芳明はなもとよしあきさんは、この「父親サポート関西」を仲間と共に立ち上げました。「父親サポート関西」とは、具体的にどのような活動をされている団体なのでしょうか。

(花本)父親がもっと子育てに参加して、主体性のある人間を作ろうということで、そのきっかけづくりをしているNPOの団体です。せっかくお父さんになったのに、お金は稼ぎますが、子育ては全く関心がない。教育はお母さんや学校、塾任せになっている。そういうお父さんをサポートしていく団体です。
 まぁ父親がですね、まず子育てをする時にどういう風にして参画していくかということなんですが、我々が思っていることは、頭ごなしに子どもに指導したり、いろんなことを話したりしてもなかなか聞いてもらえない。子どもと同じ目線に立って、一緒に科学実験をして、その目を育てていこうというふうに考えているわけです。机上で物を考えるんではなくて、実験をして、その結果を確認していくと、これは大人も子どもも、同じ答えになるわけです。自然の原理原則を学ぶんですね。そのコミュニケーションができるようにしていくというのが、科学実験の良さだという風に思ってます。

(ナレ)毎回さまざまな工夫を凝らして、科学実験やおもちゃ作りをしています。今回の授業では、空気とアルコールを使った爆発の実験と紙で皿回し用のお皿を作ります。授業を受けたばかりの子どもたちに、感想を聞いてみました。

(インタビュアー)このおもちゃ作ってみて、どうでしたか?

(男の子)最初回す時は難しかったけど、回せるようになりました。

(女の子)皿回しが楽しかったし、いろいろな実験をしているのを見てて、すごいと思った。

(ナレ)近畿を中心とした各地の小学校を回る活動の他にも、近年では公民館や老人ホームなどの場所で、親子3代で学べる授業など、活動のすそ野が広がっています。たくさんの人たちと触れ合っていく中で、とても印象に残った、ある親子の姿があったと言います。

(花本)科学実験が終わって、おもちゃ作りに入ったんですね。親子でおもちゃを作ってたんですけども、4年生の子どもなんですが、男の子、おもちゃがうまく作れない。それで、お父さんも、もう一つうまく作れないということですね、だんだんだんだん時間がたつにつれて、みんなができてくるのに、その子どもはうまくできないから、泣き出したんですね。お父さんはなだめながら一生懸命に作ってたんですけども、子どもはどんどんどんどん大きな声で泣き出してダダをこねるようになったんです。それで、少し時間が経った時にですね、お父さんが怒ってですね、その子を殴りました。その時はみんな教室びっくりしたんですね。その内、放っとけないもんですから、スタッフがその親子と一緒におもちゃを作ったんですね。そしたら奇麗に作れて、子どももニコニコ顔で、お父さんと一緒に遊ぶようになったんですね。お父さんも家に帰ってもう一つ作りたいということで、我々にもう一つ材料を下さいということで、持って帰りました。非常に印象に残ったのは、子どもがですね、ものすごく泣いてて、これは修復できないんじゃないかという風に思ってたんですけども、ちゃんとおもちゃができれば、お父さんと仲良く帰っていったという、後ろ姿が印象的でした。

(ナレ)科学実験と、おもちゃ作りの場が、親子の信頼関係を結ぶ、きっかけの場であって欲しい。子どもの言葉や様子などを、親がまずしっかり受け止め、そして、理解し、お互いの心を通わせることが、本当に大切なことである。子どもたちにとっての”お父さん”は、とても大きな存在だということを、”お父さん”に少しでも感じ取ってもらいたいと、花本さんは強く願っています。
 金光教には、「ちちははも子どもとともに生まれたり育たねばならぬ子もちちははも」という歌があります。子育てを支援していく活動の中で、花本さんは、この歌をとても大切にしています。

(花本)やっぱ妊娠した時からですね、自分の手を離れる時までは、ずっと大事。それぞれの時期時期に必要なもんがあると思いますね。第1子が誕生した時にですね、0歳ですね。父親も母親も0歳やいうんです、その時は。父親0歳、母親0歳。子どもが0歳。子どもが15になった時は、父親も15歳、母親15歳、父親業が15歳ということですね。子どもは確実に成長していきます。でも父親業としてね、こう成長していってるかと言うたらなかなか、そうはいかないんですね。でもやっぱり、それぞれにその時代時代に必要なことがあるから、成長していかんないかんのやなっていう風に思ってます。子どもはですね、やっぱりいろんな所でつまずくんですね。大きな壁にぶち当たります。その時にですね、お父さんお母さんに相談できればいいなと。そういう風な一つの、戻るところがあればね、ふるさとのようなところがあれば一番良いなと思ってます。

(ナレ)現代社会において、親の子育て放棄など、深刻な問題が後を絶ちません。花本さんは、子どもたちのどんな小さなサインであっても気づいてあげて欲しい、そしてその子どもたちにとってのスーパーヒーローであるお父さん、お母さんの温かい愛情で大きく包み込んであげて欲しいと、切に願っています。
 子どもと同じ目線に立って共に生きていく。そんな親子が一組でも多くなるように、今日も花本さんの活動は続きます。

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