シリーズ「あなたへの手紙」第3回「①祈ったのに事故/② 定年後の夫婦生活にゾッとする」


●あなたへの手紙
第3回「①祈ったのに事故/②定年後の夫婦生活にゾッとする」

金光教放送センター


 おはようございます。滋賀県・金光教大津おおつ教会の髙阪有人こうさかありとと申します。41歳です。
 今日の最初のお悩みは、43歳の会社員の男性からです。

 「私は車を購入した時には、お祓いしてもらい、車に乗る時には必ずお祈りしてから運転します。しかしたびたび事故を起こしてしまいます。自分が悪かったり相手が悪かったりするのですが、神様にお祈りしているのになぜこうなってしまうのか疑心暗鬼になっています。どう考えたらいいでしょうか」
 
 このようなお悩みです。
 
 まず、ご無事そうで何よりです。お悩みの内容からは、ご自身に大きな怪我も、また相手を傷つけてしまったということもなさそうでよかったです。ほんとに事故って怖いですよね。
 たびたびの事故で、「神様にお祈りしているのに」と、疑心暗鬼になってしまっておられるということですが、今、このように自分も相手も命があること、大きな怪我がなかったことは、神様のお守りを受けてのことと私は感じました。いかがでしょうか。そのうえで、なのですが、今回はこのお悩みを通じてお伝えしたいことがあります。
 それは、神様は、「事故が起こる、起きない」だけで、あなたのことを考えているのではないということ。そして、あなたのこれからの人生そのものを導こうとしている、ということです。
 事故が起こってくるというのは、今後あなたがさらによりよくなるために気づけることがあるという、神様からのあなたへのメッセージというように思ってみてください。すると、たびたび起こしてしまったり、巻き込まれてしまう事故をどのように振り返ることができるでしょうか。また、事故に限らず、最近の仕事や職場の人間関係、家庭内のこと、良いこと悪いこと含めて思い返してみると、どうでしょうか。何か心に浮かんでくることがありませんか。
 でも、何に気づいて、それからどうするということを一人で見出していくのは難しいですよね。教会にお参りしてみれば、そこにおられる先生とお話しできますし、おしゃべりの中で、神様があなたに願われているメッセージを受け取れるかもしれません。もし、よろしければ、金光教の教会へお参りしてみてはいかがでしょうか。

 次に紹介しますのは、50代のパート従業員の女性からのお悩みです。

 「新型コロナウイルス感染症の影響で、夫の仕事の上での付き合いが減り、夫が家でご飯を食べることが多くなっています。これまで、人任せにできず、何もかも自分で家事をこなしてきましたが、居間にドテッと座り、何もせずテレビを見て、料理が出てくるのを待っている夫を見ていると腹が立ちます。これから定年になり、ずっと家にいることを想像するとゾッとします。何か解決策はありませんか」
 
 このようなお悩みです。

 新型コロナウイルス感染症が流行はやり出してからここ何年も不自由な生活で、これがいつまで続くのか先も見通せなくて、ほんとにストレスですよね。さらに、今回ご相談いただいたあなたには、これまで外にいることが多かったご主人が、家におられるようになった。なのに、家事を分担することもなく、デーンとずっと座っている姿には、明るい未来が見えてこないと、そういうストレスを抱えておられる、ということなんですね。
 女性の偽らざる思いを聞き、妻を持つ身としてドキドキしてしまいました。ぼーっと生きていてはいけませんね。
 そんなことを言っている私ですが、結婚当初、当時70代のある男性からお祝いの言葉に添えて、こんなことを教えてもらいました。

  「夫婦は年をとってからのものやで」

 この言葉はその男性が若い頃、尊敬する人生の先輩から掛けてもらった言葉だということでした。そして「好いた惚れたとかそういうことでない、『夫婦』という人間関係があるんでっせ。これはほんとに長年、人生を一緒に過ごさんと分からんでしょうな」と続けられました。このことは、私にとっても大切なお話となっています。脱線してしまいました。
 さて、ご相談に戻ります。生活の変化だけでもストレスなのに、旦那さんのこともあるのはなかなかご自身の心の持ち方、私が我慢すればということだけでは、なんともしがたいと思います。ふーっと心のもやもやを吐き出して、ご主人の目線で今の生活を見てみましょう。旦那さんも、コロナ禍で不自由な思い、ストレスを抱えておられるのではないでしょうか。
 そのうえで、これまでお仕事で家の外が多かったご主人ですから、今まではしっかり話す時間も心の余裕もなかなかなかったのではないでしょうか、だとすれば、これをきっかけに夫婦として向き合い、先ほど私の話のなかで紹介した「年をとってからのもの」と言えるような夫婦へ歩み出してみるのもいいかもしれませんよ。
 定年後のことを考えるとぞっとするなんておっしゃっていますが、ご主人と一緒の「先のこと」を思えるあなたなら、きっと『夫婦』という人間関係を築いていかれることと思います。

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